※出典:「おとなになっても」コミックス二巻より
※あくまで20代女子二人の個人的感想です。
百合漫画分析
奥深い:★★★★★
リアリティ:★★★★★
大人:★★★★★
2020年10月23日に全国公開された劇場アニメ「どうにかなる日々」の作者、志村貴子さんの最新作!!!
こちらは「おとなになっても」二巻のレビューです。
一巻のレビューはこちらですので、ぜひそちらも読んでください!
あらすじ
小学校教師の綾乃は、行きつけのバーで出会った朱里と初対面ながら意気投合し、そのまま朱里の部屋へ。惹かれあう二人はキスをして再会を約束するが、実は綾乃は「人妻」だった。綾乃は初めての気持ちに戸惑い、夫・渉に「気になる人がいる」と打ち明ける。朱里と対面し、動揺した渉は離婚も考え始めるが……。
綾乃に振り回されながらも思いを募らせる朱里と、夫を裏切る後ろめたさを抱えながらも朱里に会いたい気持ちを止められない綾乃。前に進む勇気も後ろに引く覚悟も持てない、もどかしい二人の恋の行方は――。
(※出典:「おとなになっても」コミックス二巻より)
百合歴8年、うぱのレビュー
お気に入り度:★★★★★
理由なんてわからないけど、心の底から本能で惹かれ合う綾乃と朱里。姑さんにも二人の関係がバレてしまいますが、「キスくらい」っと言われてうやむやにされてしまいます。
バカ真面目な綾乃は旦那に内緒で浮気なんてできない面倒くさい女。旦那に嘘を付けない方が自己中心的でひどい人間ですよね。
綾乃は旦那に秘密を抱えて共に生活できるほど強い人間ではないのです。罪悪感から解放されたくて、バカ真面目に旦那に告白して、自分だけすっきりして、全て旦那に押し付けて、簡単に楽になろうという魂胆なんです。
別れを相手にゆだねるなんて、弱い人間です。でも、旦那も負けず劣らずの面倒くさい男。「離婚してあげない」なんて言っちゃいます。しかも、お義父さんの入院をきっかけに旦那の実家で同居することに…。
綾乃と朱里はこんな関係ダメだって理解はしていますが、心は完全に惹かれ合っていて、切り離せない状況になってますし、これからの同居生活は一体どうなってしまうんでしょうかね。
後半では綾乃の女子高生時代「恋ともいえない曖昧にしたままの初恋の思い出」が描かれています。
綾乃は断れない性格ということもあり、同級生の友達にハグさせられたり、男っぽい服装でデートに付き合わされたり、彼氏代わりにされていました。
「綾乃が男の子だったらいのにな…」友達から出たその一言をきっかけに髪を伸ばし始めます。綾乃は男の代わりではなく、自分を見てほしかった。どうしたって男にはなれない。無自覚の失恋ーーー。
青春ですね。綾乃の気持ちが痛いほどよくわかります…。
複雑な恋愛模様が描かれていて何度読んでも飽きない作品です。
バリキャリOL百合好き、まちこのレビュー
お気に入り度:★★★★★
人妻の綾乃さんは朱里さんとの関係がバレて、それが姑の耳に入ってしまいます。
「その人とはどこまでいったの!?」と詰められて「キスをしました…」と答える綾乃さん。
でも、「それだけだったけど、それだけじゃなかった」
たかが酔った勢いのキスだったかもしれません。行為だけみれば、まだ後戻りができそうですが、もう二人の心は後戻りできないところまで激しく惹かれあってしまっている事がこの心情からわかります。
これは落ちるところまで落ちそうだ…。
周りの登場人物が振り回されまくるんだろうな。不謹慎ながら楽しみであります。
二巻の新たな展開としては、浮気の禊(みそぎ)等の理由から綾乃さんは旦那の実家に住む事になります。そこで新たに引きこもりの義理の妹が登場します。
この漫画、一括りに「社会人百合」は呼べないですね。
ひきこもりの義妹。ひきこもりの娘の為に奔走する義母。女の人を好きになったと知らされる旦那。
それぞれの葛藤や悩みが当事者
視点で描かれていて、読んでいてみんなに共感したくなっちゃいます。
綾乃さんの小学校での出来事をきっかけに、綾乃さんの女子校時代の過去にも触れてます。
ここでも心がキュッと苦しくなりました。
とことん切ない。でもどれも設定をやりすぎてないんですよ。「ある!そういう感情思っちゃうのわかるよ!」と本当に共感できちゃうんですよね。
綾乃さんと朱里さんは少し距離が離れたかな?という終わり方でしたが、ふわふわとした胸騒ぎが止まりません。
三巻でもきっと二人は私の心をたくさんかき乱してくれると思います。